データバイアスとは?具体例と共にご紹介

データバイアスとは?具体例と共にご紹介

データバイアスとその対策について考えることは、リサーチを行う上で重要な観点と言えるでしょう。特に、マーケティングにおけるリサーチは、正確なデータに基づいて進んでいくため、データバイアスの影響を避ける必要があります。この記事では、データバイアスとその具体例について解説します。

まずは、データバイアスについて解説します。データバイアスとは、収集されたデータが偏見や差別によって特定の偏りを持った状態のことを指します。この偏りが原因で、分析結果が歪んでしまい、正しい結論に導かれないことがあります。

次に、データバイアスの具体例をご紹介します。一つ目は、生存者バイアスと呼ばれるものです。生存者バイアスは、生き残ったデータのみが強調されることが原因で起こります。このバイアスは米軍の戦闘機の話で知っている方も多いのではないでしょうか。米軍が帰還した戦闘機の損傷個所を調べ、損傷が多かった個所を補強すべきと結論付けました。しかし、統計学者のウォールドは、帰還できなかった戦闘機は「帰還できた戦闘機が損傷しなかった箇所」を攻撃されたため、墜落したのではないかと考えました。このように、生き残ったデータだけを考えてしまうと、誤った結論に至ることがあります。

続いて、志願者バイアスについてご紹介します。志願者バイアスは、実験に参加意欲が高い人のみが参加することで生じるものです。例えば、東京都に住む人の平均年収を調べるために、1000人に調査をするとします。しかし、この1000人は自身の年収が高いため、恥ずかしがることなく調査に協力してくれた人たちのデータの可能性があります。調査に関心がある人や、意欲が高い人のデータしか集まらないことで、一般性を失う可能性があるのです。

また、サンプリングバイアスについても注意する必要があります。サンプリングバイアスは、特定の標本に対するデータが集まっていることが原因です。例えば、オンラインアンケートを通じてデータを収集するすると、インターネットを利用する層に偏ったサンプルしか手に入らない可能性があります。これにより、インターネットを利用しない層の意見が反映されず、全体像を正確に捉えられなくなります。

最後に、アルゴリズムバイアスについてご紹介します。このバイアスは、偏ったデータをAIに与えることで起きるものです。有名な例として、Amazonの社員採用AIの話があります。このAIには、学習データとして男性の履歴書を多く使用したため、女性に不利益な結果になってしまうことが分かりました。このようなバイアスが生まれてしまうのは、偏ったデータを使用したり、偏ったプログラムを開発したりするのが原因と言えます。そのため、アルゴリズムバイアスが見られる場合には、開発者にバイアスがあると言えます。

今回は、データバイアスの具体例についてご紹介しました。正しい結果を得るためにも、データを分析するためには気を付けましょう。